ハッカーと画家の脚注がすごい件

ハッカーと画家を読み直しているんだけど、第五章の「もうひとつの未来への道」の脚注にすごい文章を発見した。

Mac がそんなによいものなら、どうして負けたんだろう? コストだ。またしても。マイクロソフトはソフトウェアビジネスに集中し、アップルのハードウェアに対しては、大量の安い部品業者に対抗させたんだ。もちろん、重要な時期にスーツ族が舵取りをしていたというのも原因のひとつではあるが(それに、まだアップルは完全には負けていない。iPod を Web ブラウザ付きの携帯電話へと進化させることができれば、マイクロソフトは困難に直面するだろう)。

上記は引用であり、太字強調は僕によるもの。

少なくとも書籍第一版第一刷の 2005 年時点で iPhone の出現と現状を予期している。

アップルは 2008 年には時価総額Google を追い抜き、現在は全米二位のマイクロソフトに次ぐ全米第三位と肉薄している。

マイクロソフト 2,611億ドル
アップル 2,139億ドル

アップルは、PC 市場を独占していた時代、マイクロソフトとの競争、ジョブズ不在、倒産寸前、ジョブズ復帰、iPod 空前の大ヒット、IBM を抜き、Google を抜き、そして現在へと続くわけだ。

この「ハッカーと画家」は全般において著者の洞察がすばらしいのだが、これには舌を巻かれた。他にも新しいブラウザの出現に関して以下のように書いてある。

世界を変えたければ新しい Mosaic を書くことだ。もう遅すぎるって? 1998 年には、多くの人は新しいサーチエンジンを出すのは遅すぎると思っていたが、Google はそれが間違っていることを証明した。現在のものより格段に素晴らしければ、新しいものはいつでも歓迎される。

そのとおりです。