あるポーカーの手役で最善手を検証してみる

Haskell でポーカー役判定処理を作ったので、これを使って遊んでみる。

以下の手札があったとする。

よくある感じの手札だと思う。

ここから、何をどう切ると、どれぐらいの期待値で勝利するのか、というのを検証してみたい。

ルールは以下とする。

  • 一回だけチェンジ可能
  • ジョーカーを一枚含む
  • 相手に手役で勝つのが目的
  • 相手は別のデッキを使っていて同じ手札とする


まずはこのケース。

ワンペアを残して、スリーカードを狙う(スリーカード狙い、と命名)。ツーペア、フルハウス、フォーカード、ファイブカードにもなりうる。確実にワンペア以上になるので、相手がブタになれば勝利できるという寸法。


次はこのケース。

フラッシュを狙いつつ、ストレートになってもまた良し(フラッシュ狙い、と命名)。ストレートフラッシュにもなり得、ワンペア、ツーペア、スリーカードも拾える。


続いてこのケース。

完全なストレート狙い(ストレート狙い、と命名)。約 1/13 でストレートになるが、これは果たして良い手なのだろうか。


最後はこのケース。

ワンペアと最高札のエースを残して、2 のワンペア同士ならエースで勝つ、エースとのツーペアの期待値も高いので、ツーペア同士でも勝ちを狙っていく方法(ツーペア狙い、と命名)。



それでは、それぞれの方針で 1 万回勝負させてみた結果が以下。

スリーカード狙い フラッシュ狙い ストレート狙い ツーペア狙い
スリーカード狙い勝率 - 70.61% 75.05% 33.85%
フラッシュ狙い勝率 29.60% - 40.63% 30.47%
ストレート狙い勝率 24.95% 59.34% - 22.67%
ツーペア狙い勝率 66.15% 69.53% 74.41% -

この中で最強の勝率を誇るのはツーペア狙いだった。全ての方式に勝ち越している。特にスリーカード狙いに割と大差で勝ち越しているのが評価できると思う。

フラッシュ狙いが最も勝率が低い。2 枚交換してどちらもクラブじゃないといけないので、単純に 1/4 * 1/4 = 1/16 という確率になる。これは、1 枚交換でストレートを狙う確率 1/13 よりも明らかに分が悪いのが勝率に数値として出てしまった感じだ。

スリーカード狙いは、ツーペア狙いが天敵だけど、他には圧倒している。スリーカード狙いでスリーカード以上になる確率は 12% 程度しかなく、88% の確率でツーペアのままだ。エースを残したツーペアに負けてしまうのは致し方ない。また、フラッシュ狙いでブタになる確率は 67%、ストレート狙いでブタになる確率は 64% であり、スリーカード狙いの勝ちパターンは、相手がブタだった、というケースが大半を占める。

ストレート狙いは、この中では最もブタになる確率が高いが、フラッシュに勝ち越しているのはブタ同士でエースが残されているためだ。今回は辺張のストレート待ちなので分が悪いが、両面のストレート待ちなら期待値は倍になるので、勝率はかなり変わってくるだろう。


僕はこのケースならフラッシュ狙いでカードを切るんだけど、それはロマンチックだったんだと気がついた。ポーカーの手役でエースを含むツーペアはまあまあ良い手なので、そちらを狙ってくのがリアリズムなんだとも理解できた。