最近読んだ本

図解 相対性理論と量子論―物理の2大理論が1冊でわかる本

図解 相対性理論と量子論―物理の2大理論が1冊でわかる本

相対性理論量子論を非常に簡単に説明している。どちらも知らない人には良い内容だと思う。

だがしかし、どちらも知らない人は、この本に興味を持たないという落とし穴が。相対性理論が 2/3、量子論が 1/3 という感じかな。量子論は知ってるけど相対性理論は知らない、という人はあまりいないと思われるので、構成量を逆転したほうが良いと思った。

この本はよかった。地球の成り立ちから宇宙の成り立ち、ブラックホールから超ひも理論まで、幅広く説明されている。

特に、月がどのように誕生したか、というさまざまな仮説は、この本で初めて知った。一番有力なのは、地球誕生から間もない、まだ熱を帯びていた時期、巨大な隕石が衝突し、そのとき削り取られた地球の断片が月になったというもの。その時すでに地球にはコアができていて、削り取られた部分は比重の軽い物質でできているため、月にはコアがない、ということも、その時削られた箇所が現在の太平洋だということも、なるほどと思わされる。

また、地球が、生物が生存できる現在の姿をしているのは、月のおかげで地軸が安定しているためで、隕石の衝突という偶然がなければ現在の地球は存在しなかった、などなど、興味深い内容ばかり。


図解の名のとおり、図が多くてわかりやすい。

宇宙の話より、地球と地球上の、とりわけ人類の歴史の方がボリュームが多いのがちょっと期待はずれではあった。


ねこ耳少女の量子論~萌える最新物理学~

ねこ耳少女の量子論~萌える最新物理学~

漫画仕立てで量子論を学ぶ、という革新的な取り組みを見せた本。

はっきり言おう!漫画じゃわからん!

量子論って不思議だね〜、という疑問を投げかけるにとどまっているのが全体としてよろしくない。いまいち萌えないのもマイナスポイント。


[図解]膜宇宙論―超弦理論からみえた驚異の宇宙像

[図解]膜宇宙論―超弦理論からみえた驚異の宇宙像

内容は良いんだけど、著者のこだわりが強くて、全体的に残念なことになってしまっている。

超ひも理論」を「超弦理論」と名付け直したいようだ。

プロローグでは

特に、現代物理学の中で未解決のままに残されてきた重力の起源が、「超ひも理論」、または、「超弦理論」と名づけられた物理理論によって解き明かされようとしている現在、・・・

という具合に、超ひも理論または超弦理論であったのが、第七章で

今まで、超ひも(弦)という使い方をしてきたが、"ひも"というとなんとなく品がなく感じられるので、私としては、わかりにくいが、"弦"のほうが良いように感じている。

という風に超弦を前面に押し出し、エピローグでは

この理論として現在最も期待されているのが、超弦理論、または、超ひも理論と呼ばれているもので、・・・

と逆転してしまっている。これにまして最悪なのは、

今度は開いたひも(弦)、あるいは閉じたひも(弦)が、2次元面上で運動しているように見えることになる。

という具合に、括弧書きでひもと弦を併記すること。文章に集中できなくて、ゾワゾワする。最初から超弦理論だけで統一すればいいのに、それができないのは、超ひも理論のほうが一般的だと筆者自身感じているから。

内容が良いだけに、大変残念。