重力最強

宇宙が好きだ。

そもそも宇宙にハマりだしたのは、現実逃避だったんだけど、調べたり本を読んだりするうちに、不思議がいっぱいあってなかなか面白い。

高校のときに理科で物理を選択している友達が「光の速さはすれ違っても速さが変わらねーんだよ」と、授業で聞いたそのままを僕に語ってくれていて、詳しく聞いてみるとさすがにちゃんと説明はできなかったんだけど、不思議なもんだなーとそのときは思った覚えがある。僕は理科は生物を選択していて、ネクローシスとかアポトーシスとか、アラタ体とか幼弱ホルモンとか、そういうことを勉強していた。物理と生物、どちらのほうが社会人の今役に立ったかというと、どちらも微妙だ。

ここしばらく、現実逃避のために、古い本をいくつかまさぐり、新しい本もいくつか買って、解ったことがある。

重力についてあまりわかっていなかったということだ。

宇宙を語る上で相対性理論は避けて通れず、必然的に光にフューチャーした内容の話をよく読んでいたわけだけど、これまでの本はどうも肝心の部分を言葉少なくスルーしているというかはぐらかしているというか、そんな印象があったんだけど、買い足した本によってこの年末の休暇で理解できたことがある。

よくわからなかったのは、ブラックホールに吸い込まれた光は、その重力によって出てくることができない、というもの。

光が重力を振り切って出てこれない、ということは、重力が引く力の速度(という理解をしている)が光の速度を上回っているということなんじゃないかとずっと思っていたんだけど、相対性理論によると、光の速度よりも速いものはないということになっていて、ずっと釈然としなかった。そこについて説明がされている本を持っていなかったし、パソコンを使うと現実に引き戻されるのでインターネットで調べたこともないためだ。

今回買った本には、ブラックホールへの落下速度が光の速度を超えると、光すら脱出できない、と書かれていた。また、重力波の影響は光の速度で伝わる、とも書かれていた。ブラックホールへの落下速度と事象の地平線がうまく結びつかないので(速度を限りなく0で事象の地平線を超えた場合、次の瞬間、光よりも速い速度になっているということだ)別のもやもやができたわけだけど。

重力というのは、いまだにその仕組みが解明されていない不思議な力で、相対性理論量子力学をドッキングさせたまだ未完成な理論の名前に量子重力理論という名前が付いているのも、重力の重要性を物語っているように思える。