書籍のまえがきの謝辞の意味がわかった
ここのところ本業が忙しくて、副業の記事執筆に手が回っていなかった。ブログも更新できていない。
担当の編集さんには遅れるかも、と連絡はしたものの、連絡してから 1 ヶ月以上経っているので、さすがにこのままの状態でいるのは心が痛む。そんな折、編集さんから催促のメールが届いた。
なんだかホッとしたような、追い詰められたような、複雑な心境だけど、やらなきゃいけないという事実に変わりはない。
そこで、土日を潰して書き上げた。たった今終わったところだ。
土日が潰れてしまったことはどうでもいい。問題は妻が不機嫌なことだ。
今週は木曜日に 22 時頃に帰宅して、夜中の 2 時に会社に戻らなければならなかった。金曜日は 23 時頃の帰宅。火曜日にあらかじめ土日は副業があることを妻に告げておいたが、僕が仕事ばっかりしているのが気に入らないようだ。
文章を書くときも、趣味のプログラミングをするときも、まとまった時間が確保できないと取り掛かることができない。例えば 1 時間の空き時間があるから、その間にちょっとでも進める、というのが、どうも効率が悪くてやる気が起きない。ポール・グラハムの言葉を借りると「巨大なコンテキストを頭にロードする」ので 1 時間が終わってしまうからだ。
特に文章の場合、締め切りが近づかないとモチベーションが沸かない。なんてこった!小学校からずっと引きずっている夏休みの宿題病だ。
そんな理由があって、文章を書くときは、大抵土日を潰して仕上げる。場合によっては 2 週連続で土日が潰れる。何故か?締め切りが遠い方の土日はモチベーションが低いから効率が悪いためだ。
そんな折、まえがきに「最後に、執筆を支えてくれた妻○○に感謝します」と書かれている技術書の多いことを思い出した。
独身の頃は、この謝辞の意味がまったくわからなかったが、今は非常によくわかる。技術書は技術者が副業として執筆することが多いため、プライベートが執筆に侵食されるのだ。今までできていた家事や育児、あるいはその他二人の時間の犠牲の上に副業の執筆活動は成り立っている。書籍の執筆は、かかる期間や密度も半端ないだろう。伴侶の支えがなければ到底成り立たない。あの謝辞はテンプレートかなんかだと思っていたけど、本当に感謝しているんだ!
僕が 20 代独身の頃、言葉は悪いが優秀な技術者が結婚して腑抜けになってしまった、というケースをいくつか見てきた。
違う!腑抜けたわけじゃない。家庭と仕事のバランスを調整した結果なんだ。
僕は何故、夜中 2 時に会社に戻ってまで、夜 23 時まで仕事をするのか。
- 社内での自分の評価を落としたくないというエゴ
- 一度口にしたことを引っ込めたくないというプライド
- 社内にもっとがんばっている人がいるというあせり
- 結婚してあいつは変わったと思われたくない意地
・・・。書き出してみると、下から順番に少しずつ捨てていけそうだ。
来年から仕事量を調整しよう。記事執筆も見直しをしよう。妻を不機嫌にさせるよりはよっぽどマシだ。